首里城正殿

よみがえる首里城からたどる、
琉球・沖縄の文化と食

2019年の火災から復元が進められてきた首里城正殿が、2026年11月23日より一般公開されます。

豊かな自然や独自の文化を求めて国内外から多くの人が訪れ、観光地として発展を続ける沖縄。その背景には、かつて琉球王国としてアジア各地との交易を通じて独自の文化を育んだ歴史と、沖縄戦や戦後の米国統治などを経てきた歩みがあります。

今回は首里城の復元をきっかけに、首里から那覇の街へと足を延ばしながら、街並みや工芸、食などに息づく琉球・沖縄文化をたどります。

2026年、首里城正殿がよみがえる

復元工事が進む首里城正殿

2019年の火災による焼失から復元し、いよいよ一般公開を迎える首里城。
王国が成立する以前から築城されていたとも推定されていますが、沖縄の歴史をさらに遡ると、そこには海を越えて人々が渡ってきた長い歩みがあります。

古代から続く海を越えた人々の営み

太古の昔、現在のインドネシア、マレーシア一帯には、「スンダランド」と呼ばれる広大な陸地がありました。
およそ2万年前に最後の氷河期が終わると「スンダランド」は海面上昇によって次第に水没していきます。
日本人の祖先の移動をめぐっては、スンダランドからフィリピンや台湾、黒潮が流れる沖縄、南西諸島へと人々が北上したという説もあります。

また、沖縄では独自の縄文土器や石器がみられる一方で、奄美群島、九州地方や新潟とも共通した土器や石器が出土し、海を介した文化的なつながりがあったこともうかがえます。

こうした海を越えて移動した人々は、「黒潮の民」とも表現されています。古くから海を越えて人々が渡ってきた沖縄。のちに琉球王国が成立すると、政治・外交・文化の中心となった首里城を拠点に、中国や日本、東南アジアとの交易を通じて独自の文化を育んでいきました。

火災から7年、受け継がれてきた技術と文化

復元工事が進む首里城正殿

火災による焼失から7年。2022年から正殿復元工事が始まり、その様子を「あえて」隠さず、一般の入園者も見学できる状態で復元作業が進められてきた首里城。

実は首里城は、これまでに5度、焼失しています。
しかし、そのたびに首里城の再建に全力を挙げた人々の熱意や努力があって、現代までその姿を残してきました。

今回の焼失後も、かつての姿を再現するだけでなく、職人の高齢化と後継者不足が深刻な課題となっている伝統建築産業を未来へと継ぐため、全国から集った若手人材の育成を促す「学び舎」の役割も担ってきました。

そして11月22日には復元完成式が行われ、翌23日には正殿が一般公開される予定です。
首里城公園公式サイトでは日時指定による事前予約が始まっており、単なる復元以上の意味をもった職人たちの未来への想いを、より間近に感じることができます。

琉球王国の政治・文化の中心だった首里城

首里城正殿の龍の装飾

1429年の琉球王国成立から約450年にわたり、首里城は国王とその家族が居住する「王宮」であると同時に、王国の政治・外交・文化・祭祀のすべてを司る中心地として輝きを放ってきました。その地理的な優位性を生かし、日本や中国、東南アジアなどとの中継貿易によって、さまざまな文化の色が息づく独自の発展を遂げてきました。

首里城の最大の特徴は、多文化の融合です。
首里城正殿は、国王自らが政治や儀式を執り行う中心的な場所。建築を見てみると、中国の宮廷建築と日本の建築様式を基本にしながら、正殿を二層三階建てとすることや、装飾化した龍柱など琉球独特の意匠が加えられています。
また、日本的な建築の南殿は薩摩藩の接待に、中国風様式の北殿は中国皇帝の使者「冊封使」の接待に用いられました。

こうした他国との交流を、「万国津梁(世界の架け橋)」として寛容に受け入れながら自らの文化へと昇華させていく。この柔らかな包容力こそが、琉球独自の黄金期の文化を育む土壌となりました。
こうして育まれた琉球独自の文化は、現代へと続く壺屋焼などの伝統工芸や、豊かな食文化が生まれる大きな原動力となっていきます。

異国の文化を重んじ、土地の個性を引き立てながら旅人を迎えてきた琉球王国の精神。それは、地域の歴史や文化に寄り添い、「旅人を温かく迎える」リソルホテルズのホテルづくりにも深く通じています。

首里城を訪れる観光客のイラスト 沖縄でゴルフを楽しむ人々のイラスト 沖縄の伝統文化を楽しむ観光客のイラスト

首里のまちを歩いて、今に残る琉球文化に触れる

首里城を訪れたら、ぜひその周辺にも足を延ばしてみましょう。かつて琉球王国の中心として栄えた首里には、石畳の道や赤瓦の家並みなど、王城を取り巻くように発展した面影が今も色濃く残っています。

琉球王国時代の道を歩く「首里金城町石畳道」

首里金城町石畳道

首里城から南側に続く「首里金城町石畳道」は、琉球王国時代の面影を今に伝える道です。かつて首里と各地を繋いでいた「真珠道」の一部で、現在も石垣や共同井戸、赤瓦の街並みなどを見ることができます。

「真珠道」とは、琉球の石灰岩を隙間なく敷き詰めて丁寧に舗装された道で、当時は白く輝いていました。主に海賊に対して兵士を派遣するために使われる主要な通りでした。
周辺の「首里金城地区」では、そのような歴史的な景観を守りつつ、修復や保全も進められており、古都首里の面影を残す街並みを歩きながら、その歴史を未来へと繋ぐ現在の首里の姿を感じるのもひと味違った楽しみ方かもしれません。

琉球王家の暮らしと「もてなし」を伝える世界遺産「識名園」

識名園

首里のまちなみを歩いたら、次は琉球王家の暮らしに触れられる「識名園」へ。
1799年に造られた王家最大の別邸で、保養のほか中国からの冊封使など外国使臣を迎える場としても重要な役割を果たしました。

琉球王国の時代、冊封使滞在中には、首里城や天使館では「七宴」と呼ばれる国王主催の大宴が開かれました。そこでは、豪華な中国風の料理が振る舞われたり、のちにユネスコ無形文化遺産にも登録される組踊が演じられたりしました。
一方、「七宴」以外では、識名園や御茶屋御殿において、朱色の鮮やかな琉球漆器に盛りつけられた料理や芸能で冊封使を歓待していました。
このように、琉球王国の食文化と芸能は、中国の客人に向けた「おもてなし」として育まれてきたのです。

庭園は、日本の廻遊式庭園をもとに、中国風の六角堂や石橋など、さまざまな文化を取り入れながら琉球独自の趣を生み出しています。
こうした特徴から、2000年には国指定「特別名勝」となり、さらには「琉球王国のグスク及び関連遺産群」構成資産として世界遺産に登録されました。

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沖縄の景色をつくる「壺屋焼」

壺屋やちむん通り 壺屋焼の器

さらに那覇市街へ向かうと、焼き物のまちとして知られる壺屋にたどり着きます。
戦禍を免れた壺屋地区には、国指定重要文化財の新垣家をはじめ、登り窯や石垣、カー(井戸)なども数多く残っており、往時の風景を今に伝えています。

通称「やちむん通り」には、石畳の道沿いに工房や陶器店が並び、沖縄らしい風景を楽しめます。

盛んな海外貿易によって東アジアの焼物の集積地のひとつであった琉球王国。
1609年に薩摩の支配下におかれ、海外との貿易が統制されると、琉球王国の尚寧王は産業振興のため薩摩から朝鮮人の陶工を招き、製陶技術の習得に力を入れます。そして1682年に王府が各地の窯を壺屋に集め、現在の「壺屋焼」へとつながっていきます。

創業60年を超える壺屋焼窯元「育陶園(いくとうえん)」も、琉球王朝の時代からこの地の焼き物文化を受け継ぎ、沖縄の景色を守りながら“つくり”続けています。

参考記事

沖縄の景色をつくる、壺屋焼窯元「育陶園」の挑戦。|Discovery|【公式】ホテルリソルトリニティ那覇

交易から生まれた、琉球・沖縄の食文化

琉球王国時代、海を越えた交易によって中国や日本、東南アジアなどの文化が行き交った沖縄。その交流は、工芸や建築だけでなく、食の世界にも影響を与えてきました。ここからは、さまざまな地域との関わりを通じて育まれた、沖縄ならではの食の魅力をご紹介します。

今に続く沖縄の味をたどる

ゴーヤチャンプルー ラフテー 泡盛

その歴史を遡ると、首里城で外国からのお客様をおもてなしするために宮廷料理が誕生し、そこで培われた調理技術や作法が、のちに一般家庭でも普及していきました。一方、庶民の料理は、亜熱帯の厳しい環境の中、手に入る限られた食材と知恵をかけ合わせたことで、独自の進化を遂げていったといいます。

例えば沖縄を代表する料理ゴーヤチャンプルーは、もともと東南アジアが原産のにがうりが中国を経由して沖縄に伝わったことから食されるようになりました。他にも「ラフテー」と呼ばれる角煮のような豚肉料理は、中国との交易を通して伝わったのちに、醤油や泡盛で煮込む沖縄独自のアレンジを加えることによって完成。文化庁「100年フード」にも認定されています。

那覇市久茂地にある老舗の沖縄料理居酒屋「抱瓶」では、ゴーヤチャンプルやラフテーを肴に、石垣島や宮古島、久米島など島々の銘柄を含む40種類以上の泡盛とともに堪能することができます。

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ラフテーをはじめ、全国各地の「100年フード」をもっと知りたい方はこちら!
【日本の食文化を堪能!】全国各地の「100年フード」をエリア別にご紹介|リソルホールディングス

旅の記憶と手しごとを持ち帰る「お土産あれこれ」

壺屋焼 琉球ガラス 沖縄の伝統菓子

首里城や街歩きで琉球文化に触れた後は、旅の思い出とともに「沖縄のいいモノ」を連れて帰りましょう。

沖縄の方言で焼き物を意味する「やちむん」の一種、壺屋焼や、在沖米軍が使用したコーラやビールなどの空き瓶を再利用することで発展したともいわれる琉球ガラスは、職人の技を確かに感じられる意匠はもちろん、その背景にある歴史まで楽しむことのできる一品です。

暑い土地柄でも日持ちするようにと、先人たちの知恵と工夫が詰まった琉球菓子も外せません。おなじみのサーターアンダギーやちんすこうをはじめ、リトウペン、チイルンコウなど、名前からも琉球の香りが感じられる銘菓を、旅の思い出に選んでみてはいかがでしょうか。

受け継ぐもの、変わるもの。現在の沖縄へ

琉球王国の文化を受け継ぎながら、時代とともに変化してきた沖縄。ここからは、沖縄戦や戦後の歴史を伝える取り組みから、新たな観光のかたちまで、現在の沖縄の姿にも触れてみましょう。

失われた記録を集め続ける「沖縄県立図書館」

沖縄県立図書館

1910年に開館した「沖縄県立図書館」には、沖縄戦などで散逸した貴重な資料の数々が収められています。現在も国内外から琉球・沖縄に関する資料が網羅的に収集されており、文化継承・発展の中核を担う「知の拠点」として、その歴史を未来に伝えつづけています。

館内には、琉球処分、沖縄戦、米国統治、日本復帰などを知る郷土資料はもちろん、琉球王国と中国をはじめとした諸外国との往復文書を一つにまとめた「歴代宝案」など、今につながる沖縄の歴史を知る貴重な史料を所蔵。旅行の交通拠点として便利な旭橋駅から直結しているのも嬉しいポイントです。

参考記事

歴史と文化を凝縮した「知の拠点」で出会う、ディープな沖縄|Discovery|【公式】ホテルリソルトリニティ那覇

新たな観光の動きと沖縄の現在

一方、歴史や文化を受け継ぎながら、新たな観光地も生まれています。 さまざまな商業施設が那覇空港内にオープンしたことで、空港そのものが滞在を楽しむ場所へと変化しています。

こうした新たな観光の動きが生まれるなか、令和7年の入域観光客数は過去最高の1,075万6,000人を記録。歴史や文化という強固な土壌の上に、沖縄は今新たな発展を遂げているのです。

沖縄の街を歩く観光客のイラスト 沖縄のビーチで過ごす観光客のイラスト 海辺で沖縄料理を楽しむ観光客のイラスト

琉球の文化を現代へつなぐ「ホテルリソルトリニティ那覇」

ホテルリソルトリニティ那覇のルームキー

過去から今、そして未来まで、歩みを進めるほどにその奥行きに心が踊る沖縄の文化ですが、どんなに楽しい旅にも疲れは付き物。そんな疲れを癒す拠点には琉球文化を取り入れた「ホテルリソルトリニティ那覇」がうってつけかもしれません。

琉球文化を現代的に表現したホテル空間

「ホテルリソルトリニティ那覇」は、琉球王国時代にさまざまな文化が行き交った那覇港の近くに位置しており、クラシックとモダンに琉球の趣を取り入れた空間は、まさに沖縄のチャンプルー文化を象徴するような造りになっています。

沖縄と聞いて真っ先に思い浮かぶのは海ですが、館内はより広い空をイメージし、琉球語で蝶を意味する「ハベル」や、トンボを意味する「アーケージュー」をシンボルに採用。沖縄の豊かな文化が、旅の余韻を香り立たせます。

ホテルリソルトリニティ那覇 公式サイト

旅人と街をつなぐ「BLUE BOOKS cafe OKINAWA」

「BLUE BOOKS cafe OKINAWA」のカウンター席 「BLUE BOOKS cafe OKINAWA」のカウンターとラウンジ

ホテルを楽しめるのは宿泊者だけではありません。ホテル内にある「BLUE BOOKS cafe OKINAWA」では、 ホテルラウンジを月額で利用できる新たな会員サービス「Hotel Lounge Pass」が販売されており、 本と音楽に囲まれた空間をリモートワークや読書、勉強など幅広い用途で利用することができます。

また、セルフコーヒーマシーンによる12種類のドリンクを自由に楽しめるため、作業の合間にほっとひと息つきたいときにもぴったり。自分らしく憩う「サードプレイス」として利用してみるのはいかがでしょうか。

参考記事

ホテルラウンジを「那覇のサードプレイス」へ。「Hotel Lounge Pass」販売開始|リソル株式会社

まとめ

首里から那覇へと歩みを進める中で、街並みや食、手しごとから新たな観光のかたちまで、かたちを変えながら受け継がれる琉球文化が見えてきます。

「ホテルリソルトリニティ那覇」を拠点に、首里城からはじまる歴史の旅と、今の沖縄をめぐるひとときを楽しんでみてください。

【参考資料】
・首里城公園
・沖縄県公式ホームページ
・読売新聞
・国立科学博物館
・産経ニュース
・沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語
・沖縄県「2025 首里城復興『おでかけ講座』学習BOOK」
・文化庁 日本遺産ポータルサイト
・琉球王国交流史 デジタルアーカイブ
・那覇市公式ホームページ
・文化庁 文化遺産オンライン
・壺屋やちむん通り
・壺屋陶器事業協同組合
・沖縄県「令和7年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況(確定版)」

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